◆はじめに

 ここではない、どこか別の世界。

 たとえば勇者がいて、ドラゴンがいて、魔法使いが当たり前に魔法を使うことができる。そんな世界にいるモンスターは、普段はどうしているのだろう?  彼らは勇者たちと戦っていない間、一体どんなことをして、何を食べ、どのように生活しているのだろうか?

 ――異世界の生態系問題。

 これはファンタジーを、特に世界の成り立ちそのものが現実世界と異なるハイ・ファンタジーの世界を創作しようとする場合、避けられない問題である。その世界が、剣や魔法を使って、モンスターをばっさばっさとなぎ倒すような世界であればなおさらだ。奇妙な生物がその世界に存在し、狩って狩られてを繰り返すのならば、既にそこに食物連鎖が発生しているわけであり、そこには間違いなく生物としての序列が存在する。

 モンスターだって生きているのだ。
 おそらくは、現実の虫や鳥や猫、そして我々と同じように。

◆主旨

 というわけで、幻想的異世界の生態系について考える会、第一回。

 方向性としては、とりあえず秩序立った現実世界の生態系の方面から出発し、それを下敷きにして、幻想生物間の基本的な捕食・被捕食関係について考察していくという形を取ろうと思う。

 今回はとりあえず現実世界の生態系をざっくりと理解するところをゴールに設定する。

◆現実世界の生物の生態系

 まず、現実世界の生物の生態系をざっくりとまとめる。
 今回はあくまでも生態系のモデル化が主眼であるため、とにかくシンプルに、簡潔にまとめることにする。 

 そしてガチ文系の筆者がWikipediaやコトバンクと一週間弱にらめっこをして、動物界の生物を中心に、その生態を考慮しつつ主に外見的特徴で、やわらか~い9カテゴリーに再分類したものがこちら。

◇840式やわらか生態系モデル(9項目)
(例)
序列.[カテゴリ名]:特徴
 (大体のイメージ)

1.[ひとがた]:手指が発達しており、道具を使うことができる
 (霊長類系 概ねヒトに近いもの)

2.[きば]:鋭い牙を持ち、捕食(狩り)を好む
 (肉食の哺乳獣系 ワニ・シャチ・アザラシなど)

3.[つばさ]:翼を持っている
 (鳥類・翼手目系 コウモリ、ペンギン、ダチョウもギリギリだがここ)

4.[うろこ(ひれ)]:ウロコかヒレ、またはその両方を持つ
 (魚類・爬虫類系・クジラは生態的にもここ)

5.[べとべと]:本体が軟体で、粘液もしくは貝殻に包まれている
 (軟体動物・棘皮動物・両生類)

6.[つめ]:ひづめか鉤爪を持つが、それは捕食用ではない
 (主として草食の哺乳類 有蹄類や齧歯類・モグラアリクイもここか)

7.[むし]:少なくとも六本以上の足か、複眼を持つ
 (節足動物の類 動物プランクトンはこれに含める)

8.[くさ]:光合成ができるか、胞子を持つ
 (植物類・大型の菌類 珪藻類やミドリムシ等はこちらに含める)

9.[みくろ]:人間の肉眼で目視できないほど小さい
 (原核生物や細菌の類 バクテリア・ウイルス系)

 非常に雑な括り方(特に微生物)だが、とりあえず現実に存在する生物は、大体これで仕分けできるのではあるまいか。

 捕食関係に関しても、おおよそ上から頂点捕食者・捕食者・被捕食者・生産者になるような形に並べた。複数の項目に該当する場合、基本的には番号の小さい方(上側の項)を適用して良いと思う。ただ、ミミズのように、外見的特徴は[べとべと(軟体動物系)]に近いが、生態的には[むし(節足動物系)]であるようなものもいる。こういった連中の存在は非常に悩ましい。しかし深く考えるとややこしくなってしまうので、こうしたものはもう特別な例外として扱うことにする。

 ミミズのことと関連してより厳密なことを言うならば、各項それぞれを、体格で少し細分化すべきかもしれない。たとえば魚類の中でも、大型・中型・小型で食う食われるの関係があるし、有蹄類の大型のもの(たとえばカバ)などを、小型の肉食獣(ネコのような)が捕食することは難しいだろう。この辺りを掘り下げていくと、より詳細な食物網を作れると思う。しかし今回はざっくりとした大観を作るだけに留めておく。

 そして[べとべと]という名称に若干語弊があるということには筆者も気づいているが、触手ロマン派としてここを曲げるつもりはない。

 ということだけ述べて、とりあえず今回は終了。

 次回はこれを踏まえた上で、幻想生物の生態系について本格的に考えていきます。

◆参考文献
 Wikipedia、コトバンク(生物の分類、動物学、生態学、細菌学、微生物学などのカテゴリや関連記事)
 ※激しくページサーフィンしすぎてメモ取りきれなかったよ!